「正直に、わかりやすく、安くて、便利に。」
マニフェストを軸に顧客体験に徹底してこだわり、
若年層から選ばれるオンライン生保へ
代表取締役社長 森亮介

ライフネット生命は、「正直に、わかりやすく、安くて、便利に。」というマニフェストを軸に、お客さまの体験価値を徹底的に重視し、特に若年層のお客さまから選ばれるオンライン生命保険会社を目指しています。2018年の社長就任以降、オンラインでの保険加入の将来的なニーズの高まりを確信し、成長を最優先とする戦略へと大きく舵を切ってきました。オンライン生保の魅力をより深く、より早く浸透させるためには、お客さまとの接点を進化させる必要があると考え、二つの重要な変革を推進してきました。
一つ目は、時代の変化に合わせた提供価値の変革です。かつてオンラインサービスに求められていた価値の一つに「安さ」がありましたが、近年では価格に加え、ウェブサイトやアプリの使いやすさ、顧客体験の充実度、そして安心感といった要素も重要視されるようになっています。このような期待やニーズの変化を踏まえ、当社では価格競争に留まらず、利便性や顧客体験を向上させる取り組みを積極的に進めており、特に若年層のお客さまに選ばれるブランドを確立し、生命保険の新たな価値を提供することを目指しています。
二つ目は、提供方法の変革です。開業以来、当社はダイレクトチャネルを中心にお客さまへの直接販売を通じて成長を遂げてきました。当社のマニフェストに共感し、オンライン生保の手頃な保険料や利便性に魅力を感じていただいたお客さまから多くの支持をいただいています。しかしながら、今後さらに幅広い顧客層に支持され、当社のファンになっていただくためには、強力な経済圏を持つパートナー企業との協業が不可欠です。巨大な金融経済圏やポイント経済圏がお客さまの支持を得て拡大する現代において、生命保険もパートナー企業の戦略や経済圏と連携しながらお客さまに価値を提供する時代へと変化しています。その最初のパートナーがKDDI株式会社であり、2016年に協業開始して以降、順調に事業拡大を推進してきました。両事業はお客さまに長期にわたりサービスを提供するという共通点があり、現在ではKDDIグループの巨大な経済圏の中で当社の商品を提供し、グループシナジーを高める上で重要な役割を果たしています。その後も、様々な業種の企業との協業を積極的に進めており、2023年8月には三井住友フィナンシャルグループおよび三井住友カードとの資本業務提携を実現し、新たな経済圏においても取り組みを開始しています。
これらの二つの変革は独立したものではなく、相互に深く関連しています。顧客体験を向上させ、ブランディングを強化することで、オンライン生保のリーディングカンパニーとしてパートナー企業から選ばれる存在となる。そして、自社ブランドの成長とパートナー企業との協業という両輪で、オンライン生保市場全体の拡大を牽引していくという好循環を生み出しています。当社は、日本において大きな影響力を持つ経済圏のうち、大手2グループと既に提携しており、今後これらの経済圏を通じてお客さまにどのような新しい生命保険の価値を提供できるのか、私自身も大変期待しています。
株主・投資家の皆さまへの情報発信についても、販売アプローチの変革と並行して注力してきました。資本市場の皆さまからの評価に対し、「オンライン生保にはもっと大きな成長の可能性があるはずだ」という強い思いがある一方で、現状を真摯に受け止め、情報発信やコミュニケーションの方法を変えていく必要がありました。
その取り組みの一つとして、まず、株主・投資家の皆さまの投資判断の材料となる新しい指標を提示いたしました。現在お預かりしている保険契約が将来生み出す価値を含めた純資産を企業価値の理論値と捉え、それに即した指標を経営指標として定めています。さらに、国際財務報告基準(IFRS)を、日本の上場生命保険会社としては初めて導入しました。IFRSに基づいた情報開示を通じて、当社の成長可能性と収益性を株主・投資家の皆さまに適切にご理解いただくため、私自身も積極的に対話を重ねてきました。その結果、投資家層の広がりや当社に対する期待の高まりを肌で感じています。
株価形成は、株主・投資家の皆さまとの「共同作業」であると考えています。中期計画の重点領域への取り組みを通じて事業成長を実現し、企業価値の向上を目指すとともに、資本市場の皆さまからの評価改善に向けた取り組みにも一層注力しています。株主・投資家の皆さまへの積極的な情報発信を通じて、当社の事業内容への理解を深めていただくとともに、高い成長可能性を認識し、新たに設定した経営指標を踏まえて、将来性を株価に反映していただきたいと考えています。この株価形成のプロセスは、まさに株主・投資家の皆さまとライフネット生命が協力して行う「共同作業」です。
今後も、株主・投資家の皆さまとの対話を重視しながら、企業価値の成長と市場評価の改善に向けた不断の努力を続けていきます。投資家の皆さまには是非この「共同作業」に参加いただだきたいですし、これを重ねることで、将来的に株主・投資家の皆さまと当社の双方にとって大きなリターンが生まれると確信しています。
今後も、当社の挑戦と成長にご支援を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。