ライフネット生命は、2008年の開業以来、「正直に わかりやすく、安くて、便利に。」というライフネットの生命保険マニフェスト(以下、マニフェスト)を掲げて経営を行っています。
マニフェストには、相互扶助という生命保険の原点を忘れずに、常にお客さま視点に立って行動するという強い思いが込められています。
私たちは、マニフェストを行動指針として事業運営することこそが、お客さまを含めたステークホルダーの皆さまにとっての社会課題の解決に貢献し、当社の持続可能な成長や企業価値の向上につながると考えています。
当社は、マニフェストを軸に、「ガバナンスの継続的強化」「お客さま本位の業務運営」「社会変化への適応」を通じて、持続可能な社会の実現と当社の企業価値向上を目指します。
当社は、マニフェストにおいて「顔の見える会社にする。私たちは、経営のこと、商品のこと、社員のこと、どんな会社なのか、正直に伝える。」「私たちは、常に誠実に行動する。コンプライアンスを遵守し、倫理を大切にする。」を行動指針と定め、透明性の高いガバナンスの構築に取り組んでいます。
当社は、経営理念を「正直に経営し、わかりやすく、安くて便利な商品・サービスを提供することで、お客さま一人ひとりの生き方を応援する」と掲げ、高い社会性・公共性を有する生命保険会社として、経営の透明性の確保と、経営組織体制の監督及び実効性を高めることによるコーポレート・ガバナンスの強化と充実を図り、持続的な企業価値向上の実現を目指しています。
コーポレート・ガバナンスの体制図及び組織の詳細については、ガバナンスをご覧ください。
- コーポレート・ガバナンス報告書(2022年6月30日更新) (324KB)
2008年 |
開業時から、全役員の過半数を社外役員として取締役会を組織 |
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2011年 |
執行役員制度の導入 |
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2016年 |
任意の指名・報酬委員会を設置し、委員長は独立社外取締役、委員の過半数を独立社外取締役で構成 |
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2017年 |
取締役会実効性評価(アンケート形式)を開始 |
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2019年 |
役員報酬として譲渡制限付株式報酬を導入 |
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2021年 |
監査役会設置会社から監査等委員会設置会社へ移行 役員報酬として業績連動報酬を導入 スキル・マトリックスの開示 取締役会実効性評価の拡充(個別インタビューの導入) |
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2022年 |
譲渡制限付株式報酬制度の改定(譲渡制限期間の変更) |
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- 役員の選解任方針
当社は、役員の選解任及び役員報酬等に係る取締役会の機能の独立性・客観性と説明責任の強化を図るため、任意の指名・報酬委員会を設置しています。役員の選解任方針は、指名・報酬委員会において審議の上、取締役会が制定しています。
- 役員の選解任方針 (382KB)
- 各取締役のスキル・マトリックス
当社のビジネス及び経営戦略を踏まえて、各取締役が有する知識・経験・能力をスキル・マトリックスにて開示し、取締役会の実効性の確保に取組んでいます。
- 各取締役のスキル・マトリックス (259KB)
- 取締役会実効性評価
取締役会の実効性と適正性を確保するため、2016年度より原則として年1回、自己評価の形式により取締役会実効性評価を実施しています。結果は取締役会に報告され、審議を行い、改善案を策定し、取締役会のさらなる機能向上につなげています。また、取締役会だけでなく、監査等委員会および任意の指名・報酬委員会も含めたガバナンス体制全般に関して評価を実施しています。
2021年度の取締役会実効性評価については、アンケートを全取締役に配布し、回答を得ることに加え、全取締役に対して取締役会事務局が個別にインタビューを行い、アンケートへの回答結果を踏まえて意見を聴取しました。アンケートの評価項目においては、主に取締役会の全体評価、取締役会の構成、取締役会の運営、取締役会の議論の質、役員間のコミュニケーション、情報提供・トレーニング、株主・投資家との対話、監査等委員会の運営、任意の指名・報酬委員会の運営等を対象としました。
評価の結果として、取締役会の議論は、2021年度に実施した付議基準の見直し等を通じて継続的な改善を進めながら、限られた時間で適切な議論を行うことができました。一方で、より一層の議論の量・質の向上を目的として、中期計画などのディスカッションの機会の設定や、社内検討時の論点など議論すべきポイントの明確化を指摘する意見があったため、引き続き改善に向けて検討してまいります。また、取締役会の構成は、さらなる多様性の確保および監督機能の強化のため、女性取締役比率や独立社外取締役比率の向上に関する意見がありました。その他、社内外役員間のコミュニケーションについては社外役員同士のコミュニケーションの機会を設けるため、2021年度は新たに社外役員会を実施しました。
- 取締役の報酬
当社の中長期的な業績の向上と企業価値の増大に向けて、健全なインセンティブを与えるとともに、株主との一層の価値共有を進めることを目的として、取締役(監査等委員である取締役及び社外取締役を除く。)の報酬は、固定報酬、業績連動報酬及び譲渡制限付株式報酬により構成されています。監査等委員である取締役及び社外取締役には固定報酬のみが支給されています。
取締役の個別の報酬額については、各取締役の業務内容及び責任範囲等を勘案し、第三者による国内企業経営者の報酬水準に関する調査等も踏まえて、任意の指名・報酬委員会において審議の上、取締役会が決定しています。
取締役(監査等委員である取締役及び社外取締役を除く。)の固定報酬、業績連動報酬及び譲渡制限付株式報酬の割合については、健全なインセンティブとして機能するようそれぞれ概ね6:1:3としています。このうち、業績連動報酬は、固定報酬額を基準に算出した額を前提に、当社の企業価値の向上を表す指標を「1株当たりEEV」、営業活動の効率性を表す指標を「新契約1件当たり営業費用」と取締役会で定め、達成度合いに応じて支給額を決定します。
- 取締役の個人別の報酬等の内容の決定方針 (349KB)
- 内部通報制度
違法行為等の早期発見、是正及び通報者等の保護を図り、生命保険会社としての社会的信頼を確保し向上させることを目的として内部通報制度を導入しています。
当社の役員・従業員に加え、パート・アルバイト・派遣労働者等も当制度の対象となり通報することが可能です。なお、本人の同意がない限り匿名性が守られています。また、通報者が会社から不利益な取り扱いを受けることのないよう通報者の安全が確保されています。
- リスク管理体制
当社は、生命保険会社としての業務の健全性及び適切性の観点からリスク管理体制の整備・確立が経営上極めて重要であると認識し、リスク管理のために社内規程を制定し、社内の組織体制の確立を率先して行うことにより各リスクの評価・改善体制を整備しています。
詳細は、ディスクロージャー誌ライフネット生命の現状2022(35ページ(2)リスク管理体制)をご覧ください。
- 利益相反管理方針
当社は、役職員が当方針を遵守することによって、お客さまの利益が不当に害されることのないように、利益相反取引の管理に努めています。
- 情報セキュリティ基本方針
インターネットでの保険商品の販売を中心としたオンライン生保の円滑な運営においては、情報セキュリティの確保が最重要課題の一つであると認識しています。当会社内に存在する情報資産を守るために、堅牢な情報セキュリティ体制の構築に取り組んでいます。
- 資産運用方針
お客さまに保険金等をお支払いするために、長期にわたってお支払いいただいた保険料を安全、確実に運用することが必要です。当社は、資産運用方針を定め、安全、確実な運用を行っています。
堅実な運用方針
また、資産運用の概況等をディスクロージャー誌ライフネット生命の現状2022(73ページ 4. 資産運用に関する指標等)に開示しています。
当社は、マニフェストにおいて、「私たちは、お客さまの声に耳を傾け、お客さまに何が必要かを常に考え行動する。」「私たちは、自分たちの友人や家族に自信をもってすすめられる商品・サービスだけを届ける。」と定めています。
お客さまの人生に本当に必要な保障を、理解し納得して、ご選択いただけるよう、お客さま視点の業務運営を推進します。
- お客さま本位の業務運営に関する方針
当社は、一層のお客さま視点の業務運営に取組むため、2017年にお客さま本位の業務運営に関する方針を策定しました。また、より具体的に取組みを推進するため、当方針に基づく取組み状況及び成果指標を定期的に公表しています。
「お客さま本位の業務運営に関する方針」の2021年度の取組み結果を公表
また、ディスクロージャー誌ライフネット生命の現状2022(27 ページ 5.お客さまとのコミュニケーション)においても、ご契約者との集いや、お客さまの相談・苦情への対応状況といったお客さまとのコミュニケーション内容を時系列で開示しています。
- 個人情報の保護に係る方針
お客さまの大切な個人情報を適切に取り扱うことが企業としての重要な社会的責任であると認識し、個人情報の保護に係る方針を定めています。役員・社員全員が、個人情報の保護に関する法律・ガイドラインなど関係法令等を遵守し、お客さまの個人情報の保護に万全をつくしてまいります。
個人情報保護宣言
マニフェストの第2章では、生命保険のわかりやすさの追求を掲げています。当社の商品は、解約返戻金のない保障性に特化した商品です。シンプルでわかりやすい保障を提供しています。
また、お客さまがご自身にあった保障を理解し納得して、ご選択いただけるよう、生命保険の基礎知識・保険の選び方・公的保障制度なども併せてご紹介することで、生命保険に対する理解を促進しています。
オンラインの生命保険だからこそ、電話やチャットを活用し、お客さまへのきめ細やかなサポートを行っています。保険金や給付金のお支払い時においてもわかりやすさを追求し、ウェブサイト上のご案内を充実するとともに、年1回お支払いの請求に関するご案内を郵送するなど、お客さまをしっかりサポートしています。
マニフェストの第3章において、生命保険料を安くすることを掲げ、お客さまに必要な備えを適正な保険料でご提案しています。お客さまにご自身の保険料に納得してご加入いただくために、生命保険料の内訳を開示しています。
徹底した情報公開を目指すライフネット生命保険 付加保険料率の全面開示へ
当社は、お客さまとの全ての接点においてインターネットを活用し、紙資源の使用を削減するとともに、お客さまにとって利便性の高いサービスを提供しています。
24時間×365日、お客さまのライフスタイルに合わせて、インターネットにより保険相談から申し込み、ご契約中の手続き、給付金の請求ができる環境を整えています。
当社の商品・サービスは、お客さまからの評価をいただき、「J.D. パワー2022年生命保険契約満足度調査」ダイレクト型チャネル部門において2年連続で最高評価に選ばれ、また「顧客対応」「商品提供」「支払保険料」「手続・書類」の全ての項目で第1位となりました。また、専門家と一般の消費者によって選ばれる「HDI 格付けベンチマーク」では業界最多となる9回目の三つ星をダブル受賞しています。
「J.D. パワー2022 年生命保険契約満足度調査 SM」 ダイレクト型チャネル部門で2年連続第1位
「HDI格付けベンチマーク」で業界最多9回目の三つ星をダブル受賞
当社は、マニフェストにおいて、「私たちは、多様性を尊重し、協力しあうことで、変化に対応しつづける。100年後もお客さまに安心を届けられる会社であるために。」と定め、時代に沿った商品・サービスの提供に努めます。これにより、中長期的な企業価値の向上に加え、持続的な社会の実現に貢献します。
当社は、常に変わりゆくお客さまのニーズに応え、時代に沿った商品・サービスを提供するために、ダイバーシティを推進し変化に対応できる組織を目指します。
- お客さま
当社は、2015年11月から同居期間など一定の条件のもと、同性パートナーを死亡保険金受取人にご指定いただけるよう指定の範囲を拡大しました。同性パートナーに対する当時の社会認識の変化に加え、当事者からの生命保険会社に対する要望の高まりなどを受け、パートナーのために生命保険で備えていただけるように対応をしています。
大切なパートナーのために、生命保険を
- 従業員
上記の採用方針により、さまざまなバックグラウンドを持つ従業員が集まっています。中途採用者のうち、約60%は生命保険業界以外の出身です。多様な経歴の社員が議論を重ねることで、お客さま視点の商品・サービスの提供を実現しています。従業員等の状況は、ディスクロージャー誌ライフネット生命の現状2022(18ページ 3. 従業員等の状況)にも開示しています。
また、多様性を尊重した人材育成にも取組み、メンター制度の導入・1on1面談を行い個々人の挑戦や成長を後押ししています。加えて、匿名による従業員のエンゲージメント調査を年4回実施し、主体的に仕事に取組めているか、組織に対する自発的な貢献意欲を保持しているかなどの観点において測定しています。さらに、社内では部門横断で「ダイバーシティチーム」が組成され、多様な価値観を受け入れる組織文化の育成を目指しています。
<当社の取組みに対する評価>
当社は、セクシュアルマイノリティに関する取組みが評価され、「PRIDE指標」で最高評価の「ゴールド」を7年連続で受賞しています。
当社は、常にお客さま視点でより良い商品・サービスを生み出し、従業員の生産性向上を図るため、従業員のライフスタイルに合わせた働き方をサポートする取組みを推進しています。
産前産後休暇や育児休暇の取得、コロナ禍以前から在宅勤務制度の導入、複業の支援、従業員やその家族の病気療養のための特別有給休暇制度の導入を行っています。
また、ライフネット生命の健康経営宣言を掲げ、心身ともに健康づくりを推進する取組みを継続的に行っています。加えて、がんの診断後も働きながら治療をするという社会的変化に対応するため、がんの治療と就業の両立支援をする人事制度の導入を行うなど、働きやすい環境を整備しています。
新型コロナウイルス感染症拡大にいち早く対応するため、お客さまにご案内をお送りし、ご契約者の手続きの負担軽減に取組みました。また、従業員の在宅勤務のさらなる推進を実施するとともに、お客さま対応の滞りを極力減らすべく体制を整備しました。
当社は、当社の新しい保険の提供価値をより多くのお客さまに届けるために、多くの顧客基盤と高いブランド力を持つパートナー企業と協業しています。
また、今後、生命保険においてもオンライン化が構造的かつ不可逆的に進むものと考えています。保険の加入に加え、検討・管理・見直し・保険金等の請求といった生命保険に関する全てのプロセスにおいて、オンライン上でわかりやすく便利に提供することが必要になるという認識のもと、2021年5月に子会社を設立し、7月から事業を開始しています。オンラインの生命保険プラットフォームを構築し、お客さまの期待に応えてまいります。