生命保険会計用語のワンポイント解説

エンベディッド・バリュー(EV)

生命保険会社の企業価値や業績を評価する手法の一つで、生命保険会社の算出時点で保有する資産や保険契約の価値のうち、最終的に株主に帰属する部分を評価している。「修正純資産」と「保有契約の将来利益現価」の合計として計算する。 修正純資産は、貸借対照表(日本会計基準)の純資産から計算され、資本性のある内部留保(危険準備金など)や資産の含み損益を純資産に加えたもの。また、将来利益現価とは、算出時点の保有契約が将来どのくらいの利益をもたらすかを現在価値にしたもの。

IR担当者がちょっと補足

生命保険契約は、契約初年度に契約獲得のための費用が多くかかることなど、収入と費用の発生するタイミングが一致せず、契約を獲得してから利益が生じるまでに時間がかかるという特性があるため、エンベディッド・バリューが指標に使われています。  

 

ライフネット生命は、2024年5月に新たな中期計画を策定・発表し、経営指標を、従来の「EEV」から、「包括資本」に変更しました。

エンベディッド・バリュー(EV)の構成を示す図。EVは『修正純資産』と『将来利益現価(保有契約価値)』から成る。修正純資産は負債を除いた時価ベースの資産、将来利益現価は保有契約の将来利益から税金などを除いた部分を指す。

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