当社は、SASB(Sustainability Accounting Standards Board, サステナビリティ会計基準審議会)の保険業界におけるスタンダードを参照しています。
- SASB 対照表(2023 年 9 月 30 日現在) (586KB)
当社は、以下のとおり、「お客さま」「社会」「従業員」のステークホルダーに対して取組みを進めるとともに、経営の基盤となる「ガバナンス」を継続的に強化してまいります。
当社は、マニフェストにおいて、「私たちは、お客さまの声に耳を傾け、お客さまに何が必要かを常に考え行動する。」「私たちは、自分たちの友人や家族に自信をもってすすめられる商品・サービスだけを届ける。」と定めています。
お客さまの人生に本当に必要な保障を、理解し納得して、ご選択いただけるよう、お客さま視点の業務運営を推進することで、「お客さまのために未来をつくる」ことに取り組みます。
- お客さま本位の業務運営に関する方針
当社は、一層のお客さま視点の業務運営に取組むため、お客さま本位の業務運営に関する方針を策定しています。また、より具体的に取組みを推進するため、当方針に基づく取組み状況及び成果指標を定期的に公表しています。
「お客さま本位の業務運営に関する方針」の2023年度の取組み結果を公表
また、ディスクロージャー誌ライフネット生命の現状2024(40 ページ 4.お客さまとのコミュニケーション)においても、ご契約者との集いや、お客さまの相談・苦情への対応状況といったお客さまとのコミュニケーション内容を時系列で開示しています。
- 個人情報の保護に係る方針
お客さまの大切な個人情報を適切に取り扱うことが企業としての重要な社会的責任であると認識し、個人情報の保護に係る方針を定めています。役員・社員全員が、個人情報の保護に関する法律・ガイドラインなど関係法令等を遵守し、お客さまの個人情報の保護に万全をつくしてまいります。
個人情報保護宣言
- 情報セキュリティ基本方針
インターネットでの保険商品の販売を中心としたオンライン生保の円滑な運営においては、情報セキュリティの確保が最重要課題の一つであると認識しています。当社内に存在する情報資産を守るために、堅牢な情報セキュリティ体制の構築に取り組んでいます。
情報セキュリティ基本方針
マニフェストの第2章では、生命保険のわかりやすさの追求を掲げています。当社の商品は、解約返戻金のない保障性に特化した商品です。シンプルでわかりやすい保障を提供しています。
また、お客さまがご自身にあった保障を理解し納得して、ご選択いただけるよう、生命保険の基礎知識・保険の選び方・公的保障制度なども併せてご紹介することで、生命保険に対する理解を促進しています。
オンラインの生命保険だからこそ、電話やチャットを活用し、お客さまへのきめ細やかなサポートを行っています。保険金や給付金のお支払い時においてもわかりやすさを追求し、ウェブサイト上のご案内を充実するとともに、年1回お支払いの請求に関するご案内を郵送するなど、お客さまをしっかりサポートしています。
マニフェストの第3章において、生命保険料を安くすることを掲げ、お客さまに必要な備えを適正な保険料でご提案しています。お客さまにご自身の保険料に納得してご加入いただくために、生命保険料の内訳を開示しています。
徹底した情報公開を目指すライフネット生命保険 付加保険料率の全面開示へ
当社は、お客さまとの全ての接点においてインターネットを活用し、お客さまにとって利便性の高いサービスを提供しています。
24時間×365日、お客さまのライフスタイルに合わせて、インターネットにより保険相談から申し込み、ご契約中の手続き、給付金の請求ができる環境を整えています。
当社の商品・サービスは、お客さまからの評価をいただき、「J.D. パワー2024年生命保険契約満足度調査」ダイレクト部門において4年連続で最高評価に選ばれ、また「手続・書類」「支払保険料」の2項目でも最高評価となりました。また、専門家と一般の消費者によって選ばれる「HDI 格付けベンチマーク」では業界最多となる11回目の三つ星をダブル受賞しています。
「J.D. パワー2024 年生命保険契約満足度調査 SM」 4年連続でダイレクト生保No.1
コンタクトセンターとウェブサイトが「HDI 格付けベンチマーク」で業界最多 11 回目の三つ星をダブル受賞
2008年、主要な販売チャネルが営業職員であった生命保険業界に、当社はインターネットを活用した新しい生命保険会社として開業し、現在に至るまでオンライン生保ならではの商品・サービスを世の中に提供してまいりました。今後も、自社のみならずパートナー企業の強みを相互に活用しながら、生命保険を通じて新たな価値を提供することを目指します。
また、気候変動や地球環境に対する取組みを行うとともに、資産運用業を担う生命保険会社としてESGを考慮した投資も視野に入れ、「よりよい社会のために未来をつくる」ことに取り組みます。
当社は、より多くのお客さまにマニフェストに基づく商品・サービスの価値を届けることに加え、生命保険の価値提供を高め企業グループの枠を超えた連携により社会の課題を解決することを目指して、パートナー企業との提携を推進しています。パートナー企業の幅広い顧客基盤と高いブランド力を備えた経済圏に当社の保険ビジネスが組み込まれることで、保険商品・サービスをシームレスにお届けし、お客さまや社会に対して利便性の高い金融サービスの提供を目指します。
お客さまに保険金等をお支払いするために、長期にわたってお支払いいただいた保険料を安全、確実に運用することが必要です。当社は、資産運用方針を定め、安全、確実な運用を行っています。
堅実な運用方針
資産運用の概況等をディスクロージャー誌ライフネット生命の現状2024(84ページ 4. 2023年度一般勘定資産の運用状況)に開示しています。
また、当社は、生命保険事業の特性や社会の持続可能性の観点から、運用実績やリスク等に鑑み、ESGを考慮した投資を実施しています。
気候変動が当社を含む生命保険業界へ影響を及ぼす可能性があることを事業のリスクとして認識し、今後中長期的な視点で対応事項を検討してまいります。当社は、開業来インターネットを主軸としたビジネスであることから、紙資源の削減や支店・営業所を持たないことにより温室効果ガス排出の抑制に貢献しています。また、インターネットを活用することで、お客さまの利便性の向上とともに、環境保全の活動にも取り組んでいます。
環境保全に貢献する「みらいの森プロジェクト」を実施
当社グループの温室効果ガス排出量のうち、Scope1(自社が直接排出する排出量)及びScope2(他社から供給された電気等の使用に伴う排出量)は以下のとおりです。なお、2023年度のScope2の実績について、新たにデータセンター(大阪府大阪市)の電気使用量を含めて算出しているため、2022年度から増加しています。
詳細は、2023年度有価証券報告書(18ページ (3) 気候変動)をご覧ください。
当社は、多様化するお客さまのニーズや社会に対し、時代の変化に柔軟に対応しながら、生命保険の新たな価値を提供するためには、従業員自身が多様な視点を持ちお互いを尊重できる組織をつくることが大切であると考えています。また、従業員が健康で明るく楽しく前向きに働き、一人ひとりが成長できる機会や成長したいと思える環境を整備してまいります。従業員の成長が当社の更なる成長に繋がるよう「従業員とともに未来をつくる」ことに取組みます。
なお、当社の人材育成方針及び社内環境整備方針並びに当方針を踏まえた指標・目標及び2023年度の実績は、2023年度有価証券報告書(19ページ (4) 人的資本)をご覧ください。
多様性ある組織づくりを目指して、採用の段階からダイバーシティを推進する採用方針を掲げています。多様なバックグラウンドを持つ従業員が集り、お客さま等に対する取組みを拡充し、外部からの高い評価をいただいています。
- 従業員
上記の採用方針により、さまざまなバックグラウンドを持つ従業員が集まっています。中途採用者のうち、約60%は生命保険業界以外の出身です。多様な経歴の社員が議論を重ねることで、お客さま視点の商品・サービスの提供を実現しています。従業員等の状況は、ディスクロージャー誌ライフネット生命の現状2024(31ページ 3. 従業員等の状況)にも開示しています。
また、多様性を尊重した人材育成にも取組み、メンター制度の導入・1on1面談を行い個々人の挑戦や成長を後押ししています。加えて、匿名による従業員のエンゲージメント調査を年4回実施し、主体的に仕事に取組めているか、組織に対する自発的な貢献意欲を保持しているかなどの観点において測定しています。さらに、社内では部門横断で「ダイバーシティチーム」が組成され、多様な価値観を受け入れる組織文化の育成を目指しています。
<当社の取組み>
多様なバックグラウンドを持つ従業員の声がきっかけとなり、お客さまに対してもダイバーシティ&インクルージョンの取組みを推進しています。
当社は、2015年11月から同居期間など一定の条件のもと、同性パートナーを死亡保険金受取人にご指定いただけるよう指定の範囲を拡大しました。同性パートナーに対する当時の社会認識の変化に加え、当事者からの生命保険会社に対する要望の高まりなどを受け、パートナーのために生命保険で備えていただけるように対応をしています。
大切なパートナーのために、生命保険を
<当社の取組みに対する評価>
当社は、セクシュアルマイノリティに関する取組みが評価され、「PRIDE指標」で最高評価の「ゴールド」を8年連続で受賞しています。
当社は、常にお客さま視点でより良い商品・サービスを生み出し、従業員の生産性向上を図るため、従業員のライフスタイルに合わせた働き方をサポートする取組みを推進しています。
産前産後休暇や育児休暇の取得、コロナ禍以前から在宅勤務制度の導入、複業の支援、従業員やその家族の病気療養のための特別有給休暇制度の導入を行っています。
また、ライフネット生命の健康経営宣言を掲げ、心身ともに健康づくりを推進する取組みを継続的に行っています。加えて、がんの診断後も働きながら治療をするという社会的変化に対応するため、がんの治療と就業の両立支援をする人事制度の導入を行うなど、働きやすい環境を整備しています。
当社は、企業価値の向上に伴うインセンティブを付与することで従業員の貢献に報いること、福利厚生の充実による従業員エンゲージメント向上、役員だけではなく従業員においても株主との一層の価値共有を進めるため、従業員持株会を導入しています。また、従業員持株会への加入促進に加え、奨励金付与率の引き上げや対象範囲の拡大といった拡充に向けた取組みも進めています。
2024年3月末現在、奨励金付与率は25%、従業員持株会への加入率は62%です。
当社は、マニフェストにおいて「顔の見える会社にする。私たちは、経営のこと、商品のこと、社員のこと、どんな会社なのか、正直に伝える。」「私たちは、常に誠実に行動する。コンプライアンスを遵守し、倫理を大切にする。」を行動指針と定めています。今後もこの行動指針に沿った透明性の高いガバナンスの構築を目指して「未来をつくるガバナンス」に取り組みます。
当社は、経営理念を「正直に経営し、わかりやすく、安くて便利な商品・サービスを提供することで、お客さま一人ひとりの生き方を応援する」と掲げ、高い社会性・公共性を有する生命保険会社として、経営の透明性の確保と、経営組織体制の監督及び実効性を高めることによるコーポレート・ガバナンスの強化と充実を図り、持続的な企業価値向上の実現を目指しています。
コーポレート・ガバナンスの体制図及び組織の詳細については、ガバナンスをご覧ください。
- コーポレート・ガバナンス報告書(2024年6月28日更新) (424KB)
2008年 |
開業時から、全役員の過半数を社外役員として取締役会を組織 |
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2011年 |
執行役員制度の導入 |
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2016年 |
任意の指名・報酬委員会を設置し、委員長は独立社外取締役、委員の過半数を独立社外取締役で構成 |
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2017年 |
取締役会実効性評価(アンケート形式)を開始 |
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2019年 |
役員報酬として譲渡制限付株式報酬を導入 |
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2021年 |
監査役会設置会社から監査等委員会設置会社へ移行 役員報酬として業績連動報酬を導入 スキル・マトリックスの開示 取締役会実効性評価の拡充(個別インタビューの導入) |
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2022年 |
譲渡制限付株式報酬制度の改定(譲渡制限期間の変更) |
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2023年 |
業績連動報酬制度の改定 |
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2024年 |
取締役会の構成を、独立社外取締役を過半数とする体制に変更 (モニタリング・ボードへの移行) スキル・マトリックスの拡充 |
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- 役員の選解任方針
当社は、役員の選解任及び役員報酬等に係る取締役会の機能の独立性・客観性と説明責任の強化を図るため、任意の指名・報酬委員会を設置しています。役員の選解任方針は、指名・報酬委員会において審議の上、取締役会が制定しています。
- 役員の選解任方針 (357KB)
- 取締役のスキル・マトリックス
当社のビジネス及び経営戦略を踏まえて、各取締役が有する知識・経験・能力をスキル・マトリックスにて開示し、取締役会の実効性の確保に取り組んでいます。この度、2024年度に策定した新たな経営方針及び中期計画を踏まえて、取締役会に必要なスキル項目の見直しを行いました。経営方針等とスキル項目の相関関係及びスキル項目の選定理由を合わせて開示しています。
- 取締役のスキル・マトリックス (357KB)
- 取締役会実効性評価
取締役会の実効性と適正性を確保するため、原則として年1回、自己評価の形式により取締役会実効性評価を実施しています。結果は取締役会に報告され、審議を行い、改善案を策定し、取締役会のさらなる機能向上につなげています。また、取締役会だけでなく、監査等委員会および任意の指名・報酬委員会、社外役員会も含めたガバナンス体制全般に関して評価を実施しています。2023年度の取締役会実効性評価の概要は以下のとおりです。
・評価プロセス
全取締役に対して取締役会実効性評価アンケートを配付し、取締役会議長である代表取締役社長(以下、「議長」)が、アンケートへの回答結果を踏まえて個別にインタビューを実施し意見を聴取しました。なお、アンケートへの回答結果及び個別のインタビュー内容は、取締役会事務局がとりまとめて取締役会に報告し、報告内容を踏まえたディスカッションを全取締役が参加のうえ行っています。
・評価項目
取締役会の全体評価、2018年策定経営方針、2024年度予算・中期計画、2024年策定経営方針、2023年度主要議題、運営(取締役会の運営、役員間のコミュニケーション、情報提供・トレーニング)、2022年度取締役会実効性評価結果を踏まえた取組み(取締役会のあり方に関するディスカッション、社外役員会、議長と社外取締役の1on1ミーティング、取締役会の運営に関する他社事例の調査)、監査等委員会の運営、任意の指名・報酬委員会の運営等
・実施者
全取締役(10名)
- 取締役の報酬
当社の中長期的な業績の向上と企業価値の増大に向けて、健全なインセンティブを与えるとともに、株主との一層の価値共有を進めることを目的として、取締役(監査等委員である取締役及び社外取締役を除く。)の報酬は、固定報酬、業績連動報酬及び譲渡制限付株式報酬により構成されています。監査等委員である取締役及び社外取締役には固定報酬のみが支給されています。
取締役の個別の報酬額については、各取締役の業務内容及び責任範囲等を勘案し、第三者による国内企業経営者の報酬水準に関する調査等も踏まえて、任意の指名・報酬委員会において審議の上、取締役会が決定しています。
取締役(監査等委員である取締役及び社外取締役を除く。)の固定報酬、業績連動報酬及び譲渡制限付株式報酬の割合については、健全なインセンティブとして機能するようそれぞれ概ね6:1:3としています。このうち、業績連動報酬は、固定報酬額を基準に算出した額を前提に、財務指標(当社の企業価値の向上を表す指標等)及び非財務指標(お客さま満足度等)を取締役会が定め、目標に対する達成度合いに応じて支給額を決定します。
- 取締役の個人別の報酬等の内容の決定方針 (348KB)
- リスク管理体制
当社は、生命保険会社としての業務の健全性及び適切性の観点からリスク管理体制の整備・確立が経営上極めて重要であると認識し、リスク管理のために社内規程を制定し、社内の組織体制の確立を率先して行うことにより各リスクの評価・改善体制を整備しています。
詳細は、2023年度有価証券報告書(23ページ (1) リスク管理方針、(2) リスク管理体制)をご覧ください。
- コンプライアンス体制
当社は、法令等遵守に係る取組方針及び具体的取組方策を定めた法令等遵守に関する基本方針を定め、コンプライアンス体制を整備し、コンプライアンスを推進しています。
詳細は、ディスクロージャー誌ライフネット生命の現状2024(48ページ 2.コンプライアンス体制の整備状況)をご覧ください。
- 内部通報制度
違法行為等の早期発見、是正及び通報者等の保護を図り、生命保険会社としての社会的信頼を確保し向上させることを目的として内部通報制度を導入しています。
当社の役員・従業員に加え、パート・アルバイト・派遣労働者等も当制度の対象となり通報することが可能です。なお、本人の同意がない限り匿名性が守られています。また、通報者が会社から不利益な取り扱いを受けることのないよう通報者の安全が確保されています。
- 利益相反管理方針
当社は、役職員が当方針を遵守することによって、お客さまの利益が不当に害されることのないように、利益相反取引の管理に努めています。